高専生が東工大の編入試験に合格した体験談

本日、東工大の編入試験の合格が決まり、来年(令和3年)の春から情報理工学院の情報工学系に通うことになりました。記憶が新鮮のうちに編入体験記としてまとめていこうと思います。

編入試験に関する情報は少なく、先輩方の編入体験記が非常に参考になったので、その恩返しの意味も込めて書いていきます。目次は以下の通りです。

  • スペック
  • 数学の勉強法
  • 物理の勉強法
  • 化学の勉強法
  • 英語の勉強法
  • テスト当日
  • メッセージ
  • さいごに

スペック

席次

  • 1年生:14位
  • 2年生:21位
  • 3年生:8位
  • 4年生:2位

成績をとるためだけに勉強したことはないので、あまり意識して取り組んでいません。「受験のため」、「テストのため」という目的で、勉強した方が編入試験の結果や成績は効率的に高められるかもしれません。

しかし私は、テストや受験後に本質的な学びが少ない学習はどうしても好きになれませんでした。もちろん、そのような学習をせざるを得ない時もありましたが、なるべく少なくするように心がけていました。

そのためテスト期間に、テストの点数を上げるための勉強ではなく、本質が隠れているテスト範囲外の深いところまで勉強をすることがよくありました。具体的には、確率統計のテスト前日に絶対にテストに出ない測度論や確率の公理の勉強をしたりするような感じです。

TOEIC

  • 3年生12月:395点(TOEIC IP)
  • 4年生06月:515点(L:245, R:270)
  • 4年生09月:590点(L:310, R:280)
  • 4年生03月:新型コロナウイルスにより中止

英語力が最もあがったと感じたのは、5年生の春なので、現在受けたら点数はもっと伸びると思います(再受験したら追記します)。

数学の勉強法

私は数学の真理を探究することが非常に好きで、大学の数学科が行うレベルの数学を学べるイベント(数理空間トポス)にほぼ毎週参加して、セミナーをしていました。そのため、編入数学で問われるレベルの数学については理解できていたので、数学の受験勉強に取り組んだのは5年生の春でした。受験勉強としては、問題に慣れる目的で、後述する問題集や過去問を行いました。

以下では、大学数学を学ぶ上で実践してきた概念の理解方法と受験勉強における問題集や過去問の使い方を説明していきたいと思います。

概念の理解方法

私が大学数学の理解を進めるために意識していた点を以下に示します。これらを完璧にこなそうとすると、編入試験勉強どころではなくなる可能性がありますので(高学年の方は特に)、あくまでも参考程度にお考え下さい。

  • 詳細に立ち入る前に、YouTube上などの解説動画を見て、大まかな流れや見解を動画で理解する。
  • 自問自答を繰り返し「当たり前」という答えで済ませない。
  • 証明を自分で確認したり、先生に納得するまで質問することで、疑問を残さないようにする。
  • 具体例や反例を見て、時には考え、イメージをより正確に捉える。

具体的に説明した方がわかりやすいと思いますので、以下に私が行っている自問自答を、東工大編入で良く出題される$D=\left\{ (x,y) \in \mathbb{R}^2 \mid x^2+y^2 \le 1 \right\}$上で定義された連続実数値関数$f(x,y)$の最大値問題を例に再現します。

教科書の解説
「$D$上には$f(x,y)$の最大となる点が必ず存在するため、極大値のいずれかが最大値である。」

自問1回目
「なぜ、$D$上に$f(x,y)$が最大となる点が必ず存在するのだろう?」

自答1回目
「関数が連続で領域内で発散することがないからだ。連続でないと$$\begin{eqnarray} f(x,y) =\begin{cases}\frac{1}{x+y} & (x,y) \neq (0,0) \\ 0 & (x,y) = (0,0) \end{cases}\end{eqnarray}$$のようなものが$D$上に最大値を持たない(原点付近で発散)。」

自問2回目
「境界(円周上)で無限大になる可能性はないのか?」

自答2回目
「円周上で無限大になる点があるならその点で実数値が定義できないからあり得ない。ということは、教科書の解説は定義域の集合が境界まで含んでいないと(つまり閉集合でないと)ダメなのかもしれない。でも、この条件で十分なのかわからないから、先生に聞きに行こう。」

先生
「有界という条件も厳密には必要だね。」

これは「有界閉集合上の連続関数は最小値・最大値を持つ」という定理です。きりがないので以上にしますが、実際には1つ解決するのために膨大な数の自問自答をしています。この自問自答をするメリットは、自分の解答を論理的に書けるようになること、受験前に問題集のみに取り組めば本番の応用問題に対応できること、より本質的な学習でができることです。

数学に「それは見ればわかる」、「常識的に考えて当たり前」というのは通用しません。どんな定理に対しても必ず証明があります(例えば$\displaystyle{\alpha\lim_{n\to\infty}a_n = \lim_{n\to\infty}(\alpha a_n) }$など)。興味がある方は、ぜひ様々な証明に挑戦してみてください。数学の奥深さと面白さがわかると思います。

過去問や問題集の使い方

過去問や問題集を解くときは以下のことを行い、復習の効率化をしていました。

  • 発想が出てこなくて間違えた問題とケアレスミスした問題を区別して印をつける。
  • 解いている時に思いつかなかった発想に蛍光ペンでマーキングする。
  • 解答に詰まった場合も、答えは全部見ることはせず、詰まった部分のみを見て解答を続ける。
  • 解答にかかった時間を大問ごとに記録する。
  • 復習する範囲は過去問を分析して決める。

数学の問題演習として、過去問と編入数学過去問特訓に取り組みました。

この問題集は、編入数学の基礎ができている人向けに過去問ベースでつくられています(基礎知識のない人には難しいかもしれません)。問題の難易度は A(基本問題)~ C(発展問題)までありますが、他の編入体験記でも紹介されているだけあって良問が多かったです。

私は、傾向が変わったときの対策のために、すべてのページを10日ほどかけて1周し、東工大で良く出題されている分野の間違えた問題のみをもう1周行いました。正答率は大体ですが、初見でA問題が9割、B問題が7割、C問題が6割程度でした。

またテスト直前に、過去問および問題集の蛍光ペンが引いてある発想の部分を再度チェックし、定着していない発想はもう一度問題を解くことで定着させました。

物理の勉強法

物理学は数学とは異なり、理論を実際の現象に当てはめることで初めて問題が解けます。私は、物理の理論や概念も大好きだったので、物理の学習も数学の学習と同じ要領で、概念や理論の理解は徹底して行っていました。そのため、物理学の受験勉強は、理論や概念自体ではなく、理論を実際の現象に当てはめて問題を解くことがメインでした。

物理学を得点源にしたいこともあったため、5年生の春休みに問題演習をたくさん行いました。問題集の使い方は数学と同じです。私が取り組んだ問題集を順に紹介していきます。

問題集

まず、最初に取り組んだ問題集は、「基礎物理学演習 (1) 」の力学分野です。12日ほどで1周しました。初見の正答率は7割程度でした。

次に「基礎物理学演習 (2) 」の電磁気学分野を解きました。こちらは16日ほどで1周しました。初見の正答率は6割程度でした。

例年の物理の試験は、大問が3つで1問目が力学、2問目が電磁気学、3問目が波動or熱力学です。そのため、ここまでで毎年確実に出題されている分野の問題を1周したことになります。

私はこの後に「基礎物理学演習 (1) 」の熱力学分野の問題を解きました。それは熱力学が化学でもほぼ同じ形式で出題される可能性が高く、波動に比べて優先順位が高いからです。熱力学の分野は14日ほどで1周しました。初見の正答率は正答率は6割程度でした。

次に「基礎物理学演習 (1) 」の波動分野を過去問に類似する問題のみを3日程度で解きました。全ての問題を解かなかったのは、既にある程度理論を理解したので、本番中に考えても解けると判断したためです。これによって、他の優先すべきことに時間を使うことができました。初見の正答率は7割程度でした。

ここまでで東工大のテストに必要な分野を1周したことになります。理論を実際の現象に当てはめて使いこなせるようになるには、さらに多くの種類の問題を解くことが重要だと判断し、例年確実に出題されている力学と電磁気学の問題集をそれぞれ調達して取り組みました。

力学分野は「演習力学」を購入しました。

電磁気学分野については「電磁気学演習」を購入しました。

これらの問題集については、合わせて1カ月程度で同時並行で行いました。正答率は初見でどちらの分野も7割弱程度でした。こちらの問題集の方が、内容が深く、基礎物理学演習より難易度は高いように感じました。

ここから本番までは定期的に過去問やりつつ問題集の復習をしました。復習は、1周目に間違えた内容を2周目に、2周目に間違えた内容を3周目にという方式で行いました。

化学の勉強法

非化学系にとっては最大の鬼門ではないでしょうか。自身の専門をいち早く身に着けるという理由で、非化学系が教わる化学は、高校の範囲も十分にカバーされていないこともあると思います(それが悪いことではない)。

しかし、テストの範囲には高校の化学に加えて、大学の化学も含まれています。出題は過去問を見てもらえばわかる通り、無機化学2問(高校範囲メイン)、物理化学2問、有機化学2問(大学範囲メイン)といった感じです。それでは、化学に対する私の勉強法を紹介していきます。

とはいっても、私は高専の他のこと(卒業研究や社会に役に立つものづくりなど)にも力を入れたいと考えていたため、本格的に勉強を開始したのは2カ月前です(興味ある分野を除く)。そのため、化学は高得点を目指していたわけではないので、勉強法は参考程度にお考え下さい。

興味ある分野を極める

東工大の出題範囲に興味のある分野がある場合は、その分野を極めて、受験後にも活かせる本質的な学びを得ることをお勧めします。本質的な学びには、勉強を楽しいものにして、勉強時間を増やす力があります。

私はこの方法でモチベーションの維持をしながら、テストの点数の安定化を目指していました。また、興味を持てない分野については、この後の節で解説する手法で効率的に学習していきました。

具体的には、私の場合は物理が好きだったので、物理化学を極めました。物理化学を極めるために使用した本は、アトキンス 物理化学要論 (第6版)です。興味のある部分から読んで、少しずつ学んでいきました。

また、有機化学も自分の興味がある脳科学とAIの連携に活かしたいという目的を持って取り組むことで、モチベーションを維持しました(ですが、有機化学については納得いくまで極めきれませんでした)。

質問できる人を探す

理系科目は理由や理屈がわかれば、効率的に暗記や問題演習をすることができます。しかし、独学で理由や理屈を突き詰めるためには多くの時間を要します。そのため、高専の物質工学科などの化学を専門に勉強している人の中から質問できる人を確保しましょう。

YouTubeの動画を活用する

非化学系の方であれば、いきなり本を読んで学習するのは避けた方が賢明だと思います(好きな分野は例外)。おそらく、本に書いてあることを片っ端から暗記することになってしまい、かなり暗記が大変になってしまうと思います。

まずは迷わず動画を見ましょう。動画をみることで頭の中が整理され、格段に暗記の効率があがります。以下に私が勉強する上で大変参考になったYouTuberを紹介します。

予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」

人気の方なので皆さんご存じかもしれませんが、予備ノリ先生です。この方は、わかりやすいだけでなく、「なぜ」まで掘り下げた質の高い動画を日々投稿されています。「大学の数学・物理」と書いてありますが、化学も取り上げています。以下におすすめの再生リストを貼っておきます。

受験メモ山本

この方の無機化学の動画が非常に参考になりました.動画内で無機化学の反応は基本的に、酸塩基反応、酸化還元反応、揮発性の酸遊離反応、沈殿生成反応、錯イオン形成反応、分解反応の6つのいずれかであるという説明が非常にわかりやすかったです。また、深堀も非常に興味深い内容なのでおすすめです。こちらもおすすめの再生リストを貼っておきます。

もろぴー有機化学・研究ちゃんねる

なんと有機化学の研究者が運営している有機化学専門のチャンネルです。非常に質の高いコンテンツが提供されています。こちらもおすすめの再生リストを貼っておきます。

さらにより深めて学ぶためには、動画の内容に対応する箇所をマクマリー 有機化学概説 (第7版)で見ながら学習するといいと思います。

スマホアプリを使う

ここまで、YouTubeの動画で暗記のハードルを下げる話をしてきましたが、それでもやはり覚えなければいけないことは存在します(特に無機化学)。暗記をする上で、私が真っ先にお勧めするのは、スマホアプリです。

暗記は多くの数を繰り返せば必ずできるため、時間の確保が非常に重要です。スマホはこの点で最大の効率を発揮できると思います。なぜなら、お風呂に入っている時間やトイレに行っている時間などの参考書での勉強ができないときにもインプットすることができるからです。アプリを使って問題を解く時に、YouTube動画での要点を思い出すようにするとより効率が良くなるでしょう。

私は、無機化学を暗記することにあまり興味が持てませんでしたが、スマホアプリを使うことで、少しずつ解けるようになっていきました。使用した無機化学用のスマホアプリは、以下に示すアイコンの「無機化学の一問一答」というアプリです。このアプリのおかげで、本番に答えられた問題も結構あったのでおすすめです。

問題集で実践する

やはりアプリを使って暗記をしても、実践でできるかの不安が残るので、問題集で手を動かして理解を深めることも必要だと思います。そのため、過去問を分析して出題されやすい問題とその周辺の問題に絞って解きました。

無機化学用の問題集としてはニューステップアップ化学を使用しました。

この問題集の無機化学がある程度できれば、本番のテストの無機化学でも大きく点数を落とすことはないと思います。

有機化学用の問題集としては「有機化学演習―基本から大学院入試まで」を使用しました。

この問題集をすべて解ければ、本番の有機化学も完璧だと思います(というより過剰)。私はすべて解いたわけではないので、本番にできない問題もありましたが、マクマリー 有機化学概説 (第7版)を参照しながら取り組むことで、ある程度の問題まで解けるようになりました。

物理化学の問題集は上述した「アトキンス 物理化学要論 (第6版)」を利用しました。アトキンスは、過去問の出題範囲に絞って、例題をメインで時々自主問題まで解きました。

英語の勉強法

例年、東工大編入の英語は、長文がとにかく長くて時間がたりない上に、自由英作文もあります。私は、英語は苦手でしたが学ぶ意思はあったので、受験をきっかけに頑張ろうと思っていました。そのため、英語だけは4年生になった直後からコツコツと受験勉強を始めました。それ以前も基本的な文法については、きちんと学んでいました。

しかし結論から言うと、英語で高得点を安定して取りたいのであれば、以下の勉強では足りませんでした。私の受けた年の英語が難しすぎたのもしれませんが、勉強法自体が良くない可能性もあるので注意してご覧ください。

ちなみに、最初は受験のためというのが英語を勉強する一番の理由でしたが、受験終わった今では、留学や海外インターン、サービスの世界展開の挑戦など学んだ英語力を使って挑戦したいことがたくさんあります。

TOEIC対策

4年生の春から、併願校のことも考えてTOEICの勉強に取り組み始めました。最初はTOEICの問題の流れを勉強するということで、はじめてのTOEIC L&Rテスト 全パート総合対策を使いました。

英語が苦手だったこともあり、モチベーションが続かず、すべて終わるのに1カ月ほどかかってしまいました。

しかし、最初の公開テストを6月に申し込んでいたため、なんとかモチベーションを取り戻しました。そして、総合対策で勉強したことを実践しながら、スコアが上がるTOEIC L&Rテスト本番模試600問 改訂版を解きました。

その模試の付属のCDや音声を使って、スクリプトを見ながらオーバーラッピングを行い、本番まで毎日復習をしました(シャドーイングは難しすぎてできなかった)。

ですが、いま改めて考えるとこの模試の教材は使わない方がいいと思っています。それは、以下に示すようなTOEICが公式で出している問題集が別に存在するからです。やはり、公式の問題集の方が本番のTOEICが忠実に再現されていると思います。

この対策でなんとかTOEIC IPのときと比べて、120点得点が上がりましたが、圧倒的に感じたのは単語不足でした。

そこで、公式問題集を使った演習とオーバーラッピングによる復習はもちろんのこと、単語帳にも取り組み始めました。以下に示す「abceed」というスマホアプリで、TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズという単語帳をダウンロードして、毎日30分程度暗記する時間を作っていました。テストまでには、860点レベル以上の単語を除くほぼすべての単語の意味が出てくるようになりました。

9月のTOEICの結果は惜しくも600点には届きませんでしたが、このテストを通して「長文読解の基礎力が足りない」ということを再認識できました。この基礎力の欠如により、長文はもちろんのことリスニングの点数も下がっていると思いました。

そのため、東工大の編入試験にも必要な長文読解の基礎力等をつけて、もう一度3月にTOEICを受けることにしました(結局コロナで受けられませんでした)。

東工大の試験対策

東工大の試験対策に関しては、時系列順にどのような目的で何を取り組んだのかを解説していきます。

4年生 10月~12月

まずは長文読解の基礎力を養う必要があると考え、基礎英文解釈の技術100に毎日少しずつ取り組みました。また、復習は音源を使って音読しながら行いました。

次に、この英文解釈で学んだことを実践するために、完全理系専用 英語長文スペクトル 基礎編を行いました。すんなり理解できない構文は適宜、基礎英文解釈の本と照らし合わせながら取り組んでいました。

この時期に英文を理解する上での基本的な素量は身についたと思います。

しかし、この時点で単語はTOEIC頻出のものしか覚えていなかったので、単語に苦労しました。最初のうちは、長文にでてきたものを復習で覚えようとしていたのですが、その量が非常に多く効率が悪いと共にモチベーションが続かないと判断したため、1月から3月は単語の暗記をメインにすることにしました。

4年生 1月~3月

単語帳については迷ったのですが、派生語や語源、例文まで丁寧に解説されている改訂版 鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁を選びました(当時は改訂版はなかったので古いやつを使いました)。

大体、3section/1日を基本として取り組みました。1周目から細部まで読み込むと挫折するので、最初は主要な意味だけを抑え、2周目は派生語まで抑えてという形で、少しずつ細部まで覚えるようにしました。暗記するというよりは読み込むという感じでした。

単語を本気で回すと他の問題集などを行うのが時間的に厳しかったので、スペクトル基礎編の音声を使った音読のみを毎日継続し、他のものには手を出しませんでした。速く長文を読むためには音読が有効であるということを、教育系YouTuberや学校の英語の先生、普通高校で受験を経験した人が言っていたので参考にしました。

5年生 4月~6月 単語編

単語のコアイメージは、鉄壁の本をじっくりやりこむことで、ある程度身に着けることができました。そこで、暗記を完全にするためにスマホアプリを使って、周回効率を上げました。やはり化学と同じく、効率はスマホが圧勝です。

アプリには「mikan 鉄壁」を使いました。また、アプリで単語帳を周回しているときには図や例文などを確認できないため、なかなか覚えられない単語やイメージができない単語、使い方がわからない単語は、本も併用して覚えました。

この単語帳に取り組む時間は、私たちが家族で習慣として行っているウォーキングに取り入れました。それによって、モチベーションを維持して、毎日1時間程度確保することができました。この習慣により、単語の意味をイメージで瞬間的に捉える力が付きました。

5年生 4月~6月 英作文編

また例年、自由英作文の出題があるため、英語の文章を書く練習をしました。具体的にはまず、大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編を使って、自由英作文を構成する各文をきちんと書けるように特訓しました。大体、2週間程度で1周しました。

また、上記の和文英訳と併用して、自由英作文に関するテクニックを学んだりや練習を行うために、大学入試英作文ハイパートレーニング 自由英作文編に取り組みました。

こちらについては、1日1題は必ず書くようにしていました。Google翻訳に入れて、自分の思い通りの日本語が出力されるかを試したり、模範解答をみて表現方法を学んだりしていました。

英作文は添削してくれる先生がいる場合は、積極的にお願いしましょう。私もコロナで対面で添削をもらうのが難しい状況でしたが、複数の英語の先生にメールでお願いしました。

5年生 4月~6月 長文編

さらに、単語力がある程度ついたので、長文のレベルをさらにレベルアップするために、英文解釈の技術100(基礎ではないバージョン)を購入し、毎日少しずつ取り組み始めました。

また、その英文解釈の内容を実践するために、完全理系専用 英語長文スペクトル(基礎編ではないバージョン)に取り組みました。

この本に含まれている長文には、このときの私には難しいものも含まれていましたが、それが一般入試の東工大の過去問でした。編入試験でも大体同レベルの長文が出題されるので、ここから受験本番まで(5年生の6月~8月)は、多読に焦点を当て、実践的なものに多く取り組むことにしました。

5年生 7月~本番

この時期は東工大の試験に向けて、一般入試の過去問や多読をメインに行いました。編入の問題と一般入試の問題はわずかに傾向が違うので、編入の過去問を入手できるようであれば、そちらも手に入れて時間を測ってテスト形式で取り組むことをお勧めします。

一般入試の過去問には、東工大の英語20カ年を使用しました。英作文があるものを優先的に、1日1長文を時間を測って解き、全文訳を見ながら、構文の確認や自身の理解の確認を行いました。最初の方は時間制限がかなりきつかったです。

また、読解の速度を上げるために、速読英単語2上級編を使用しました。この本は難しかったです。受験までに2周しました。2周目は、本に記載されている目標タイムで、構文を取りながら読めるまで音読を行いました。

また、このとき鉄壁の単語はほぼすべて暗記できていたので、毎日ウォーキング中にアプリで行う単語帳を鉄壁から英検準1級 でる順パス単に移行し、鉄壁はお風呂でCDを聞いて復習することにしました。アプリは「mikan」の有料プランを利用しました。最終的にこの単語帳も8割程度覚えてテストに望むことができました。

テスト当日

実施方法等の詳細を公開することが禁止されているので、感想が多めになりますがご容赦ください。

1日目

数学のテストの前に、頭を起こす目的で簡単な対角化などの問題を解き、いよいよ本番を迎えました。一番最初の教科の開始までの時間が一番緊張しました。でも、いざ始まってしまえば、緊張せずに落ち着いて解くことができました。数学についてはやや難化したと思います。解ききれない問題も少しだけありましたが、他の受験生も似た感じだろうと思い、焦ったりはしませんでした。

次の物理のテスト前も数学の時と同様、問題を軽く解きました。物理のテストに関しては、私が得意なタイプの問題が非常に多く、ほぼ満点近くの点数を取れていると思います。個人的には、問題の傾向は変わったように感じましたが、難易度には変化がなかったように思います。

ここまでの2科目が終わり、得点源はしっかり確保できた印象だったので、残りの2科目(化学と英語)、は致命傷にならないようにしていきたいなと考えていました。

1日目最後の化学のテスト前は、無機化学のアプリを少しやって、マクマリー有機化学の復習すると決めていたページを確認しました。自分の全く覚えていない範囲(正確には捨てていた範囲)が初っ端に出て、一瞬焦りましたが、他の部分では、学んできたことを出し切れたのでよかったです。難易度については例年通りだと思います。

この日の夜は単語帳と速単だけやって寝ました。

2日目

朝起きて単語を確認して、速単で英語の頭にしてテストに望みました。英語には大分絶望しました。例年より圧倒的な難化だと思います。2つ目の長文は読み切れず、前後のみを読んで解答しました。ただ、他の受験生もできていないだろと信じました(笑)。もし、他の受験生がこの英語のテストで高得点とれるのであれば、合格できなくてもしょうがないなと思いました。

午後の面接は何が聞かれるのだろうと思い、少しドキドキしながら、自分の将来やりたいことや学んできたことをまとめた紙、自分が今まで作成したアプリなどを見返していました。面接の内容を公開することも禁止されているので、詳しくは述べられませんが、高専で自分の専門に対して、目的意識をもって取り組めていた人ならば心配する必要はありません。

メッセージ

あなたが高専に入学した理由は何ですか?高専生活で達成したい目標は何ですか?

私は皆さんにこの答えを忘れないでほしいです。中学校では偏差値の高い高校に入るように言われ、高校や高専では良い大学に入るように言われ、その後は大企業に入ることを求められる。それに何となく従い、目的を周りから押し付けられる人生のどこで自分自身の夢や目標を達成するのでしょうか。

高専に進学することを中学生の段階で決断したあなたには、それなりの目標があるはずです。その目標は高専の中で変わっていくと思いますが、他人から押し付けられたものよりも活き活きとしているはずです。ぜひ、目標の達成を最優先に考えてください。

そのため、目標に向かって、毎日ひたむきに努力し、レベルの高いイベントやコミュニティに参加したり、プロコンやロボコンに出場したり、インターンを経験したりしてほしいです。受験の範囲とは関係ないから、テスト範囲ではないから、宿題ではないからというように理由をつけて、誰かの決めた基準に自分の学習範囲を狭めて欲しくありません。

目標達成を目指す過程で、大学で心からやりたいことが見つかった時に、受験勉強の計画を立てましょう。そのときには、今まで努力してきた成果と志望校を合格するために必要なことの差を分析し、勉強方針を考えましょう。

5年生は卒業研究や社会実装といった高専の集大成と言える授業が場合によっては複数あると思います。そのため、5年生で受験勉強に多くの時間を使おうとすると、高専内で達成したい目標が疎かになってしまう可能性があるので、そのあたりも考えて計画を立てましょう。

また、きっかけは受験勉強だったとしても、なるべく将来の目標に活かせるような学び方をしましょう。その方がモチベーション維持の面からみても効果的だと思います。

中には、自分の積み重ねて来た成果と志望校が求めることに大きな差があり、多くの時間を受験勉強に使う必要がある方もいると思います。そんな場面でも、心から達成したい明確な目標の実現のためであれば、乗り越えられるはずです。陰ながら応援しています。

さいごに

今回合格できたのは、家族、親友、高専の仲間や先生方、数学のイベントで出会った方々をはじめとする私を支えてくれたすべての人のおかげです。本当にありがとうございました。大学に入学してからも、自分のやりたい研究や開発に全力で取り組みたいと思います。

最後に、上で紹介した受験勉強用の本や問題集の他に、趣味として使っていた本もあるので、情報分野以外の本棚を共有しておきます。また、受験勉強に使ったルーズリーフやノートの量がわかる画像も共有しておくので、勉強量の目安にしてください(文字は大きく用紙は大胆に使いました)。

この長い編入体験記を最後までお読みいただきありがとうございました。

数学

理科

英語

ルーズリーフ等

私とこのブログについて

オンリーワンになる

私の夢は「自分にしかできないことで世界に貢献すること」です。この目標に向けて、日々勉学やプログラミングに精進しています。

中学3年生の時に、ε-δ論法をきっかけに現代数学に魅了され、未解決難題を解く1流の数学者を志し、寝る間も惜しんで数学に取り組むようになりました。しかし、いざ高レベルな数学のイベントや最先端で活躍している数学者の話を聞いていると、将来自分が一流の数学者になる未来が想像できなかったのです。周りの方々には、「一流ではなくても、できることや貢献できることはある」と言われたこともあったのですが、「なんか違う」そう思ったのです。多くの中の1人になる人生に納得できなかったのです。

それでも、今まで得た数学の知識を使って、自分にしかできないできないことで、世界に貢献する方法がないか必死に模索しました。今まで学んだ数学をブログにしたり、数学を解説するYouTubeを撮ってみたり、しかしこれらの分野には既に活躍している先駆者がいました。何をしてもオンリーワンの方法で活躍できない現実に失望するときもありました。

そんな時に思いついたWebサービス、それが数学に関する情報を記事として共有し、議論ができるサービスMathlogでした。私が高専で学んだ情報工学の知識、数学のイベントに参加した経験、ブログの作成経験、すべてを結集したサービスです。多くの方々に支えて頂けたこともあり、構想から3年無事完成させることができました。そして、このサービスは公式リリースから3日で20万人以上の人に認知してもらうことができ、現在(2021年1月13日)は、ユーザ数が約1500人、記事数が約1300記事になりました。そして、2021年1月に正式に個人事業主として起業しました。

小さいことではありますが、自分にしかできない方法で社会に貢献する経験ができたのです。しかし、私の目標は世界に貢献することです。まだまだ遠い目標です。そのため、今後はMathlogを大きいサービスにしていくと共に、新たなことにも積極的に挑戦していきたいと思っています。

基本情報

  • 出身地:神奈川県茅ケ崎市
  • 経歴:東京高専(情報工学科)⇒ 東京工業大学(情報理工学院)
  • 趣味:数学・プログラミング・旅行
  • Twitter:@mishima-ryuji

ブログの目的

このブログでは、「過去の自分が知っていたら役に立つだろうな」と思う内容を中心に発信していこうと思っています。プログラミングの知見や高専に関すること、Webマーケティングなどがメイントピックになると思います(数学の内容はMathlogに挙げていきます)。

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